柿の豆知識

◇柿の起源

原産地は東アジア地域一帯で、中国、朝鮮半島を通って日本に入ってきたと言われています。その歴史は古く、縄文、弥生時代の遺跡から柿の種が出土しています。

現在のような大きい柿は奈良時代に中国から渡来したと考えられています。各地に伝播したため品種も多く、特に江戸時代に飛躍的に発展、各地で特産品が生まれました。その数は400種にもなったそうです。

 

 

◇柿の名前

柿の学名は「Diospyros Kaki」(ディオスピロス・カキ)。ディオスピロスとはギリシャ語で「神の贈り物、食べもの」といった意味を持ちます。おいしい果実としてたたえられた柿は、16世紀頃ポルトガル人によって日本から世界に広がり、ヨーロッパやアメリカでも「KAKI」の名で親しまれています。

黒船でやってきたペリーも柿のおいしさに驚き、米国に持ち帰ったとも。

 

   

◇柿の栄養

「柿が赤くなれば医者が青くなる」といわれるように、栄養価に非常に優れ、古くから利尿作用や体の熱を冷ます働きがあるなど様々な薬効を持つことで知られている柿は、次のような成分を含んでいます。

 

ビタミンC

柿には酸味がないにもかかわらずビタミンCが豊富です。ビタミンCは風邪の予防や美肌効果があると言われており、1個で1日の必要量を充分満たしています。

柿の葉にもビタミンCが多いため、昔から柿の葉茶は健康茶として飲まれています。

 

β-クリプトキサンチン

最近、がん抑制効果のあるβ-クリプトキサンチンが温州みかんと同じくらい含まれていることが明らかになりました。β-クリプトキサンチンとはβカロチンの仲間で、5訂の食品成分表で「カロテン」の項目に含まれます。1日に必要な量は2ミリグラムと言われており、次郎柿(Lサイズ)の約1/2個分にあたります。

 

その他

ビタミンK、ビタミンB1・B2、食物繊維、カリウム、タンニン(渋みの原因)などを多く含み、栄養満点の果物です。ただし、消化はあまりよくないため、食べすぎには注意しましょう。

 

 

◇柿の渋

柿の渋は、シブオールというタンニンが主成分です。

甘柿は熟してくるとシブオールが自然に消えたり、ゴマ状に固まって唾液に溶けない形になる(不溶化する)ため、渋みを感じなくなります。

渋柿も、渋を不溶化させること(脱渋作業または干し柿)で食べることができます。

 

 

◇柿とお酒

「二日酔いには柿」と言われる訳は、肝臓でのアルコールの解毒作用を助けるアミノ酸・システインの含有量が多く、また柿に含まれる果糖がアルコールの分解を促進させるとともに、利尿作用のあるカリウムが多く含まれているため、お酒の悪酔いや二日酔い防止に効果があるとされています。

 

 

◇木守り

収穫し終わった柿の木に、ぽつんと1つ2つ取り残された実。これを「木守り(きまもり)」と呼びます。

来年もよく実りますようにという願いを込めたおまじない、鳥へのお裾わけ、旅人のために、…などという説もあり、日本各地に伝わる風習のようです。まぁ取り忘れということもあります(笑)。